過保護な君の言うとおり
「無理だな。これで最後にしてくれ、連絡もしてくるな……私の前に現れないでもらえるか」
「やっと受験も済んだのに、そんなのひどいよ。
玲だって、俺のことが忘れられないんだろ? 玲の孤独をわかってあげれるのは俺だけだ」
───怖い顔だ。
洸がおもむろに手を伸ばし、私の頬をなぞった。ぞくっと背筋が凍る。
「だから、大人しくしててね」
そんな険悪な空気の中「おーい!」とびきり明るい声が図書室に響き渡った。
私の隣で顔を強ばらせていた小池も、ほっとした面持ちになった。
「玲ちゃーーーん! 遊びにきた……」
佐久間だ。
無垢で、暖かい笑顔の佐久間がやってきた。
しかし、洸が私の頬に触れているのを見ると
「……なにやってるの?」と顔を曇らせた。