過保護な君の言うとおり




「俺、玲のことが好きだ。付き合って欲しい」



この時の私は高校一年。一緒の委員会だったひとつ上の先輩の三島 洸に告白された。



 確かによく話しかけてきた当時の彼に悪い印象はなく、むしろ爽やかな先輩だった。




 でもそれとこれとは話が違う。



よく話すからと言って好きとは限らない。だから断った。


その時は洸もあっさりと「そうか残念だよ」と言い、しつこく迫ってくることはなかった。




 私が、おかしい、と違和感を覚えたのは数日経った月曜日。





昼休みに空き教室へ昼寝をしに行っていた私は人が入ってくる気配を感じた。




幸いこの教室には物多かったから、積まれた段ボールと机の間に身を潜めた。





 入ってきたのは洸だった。




それともう一人、洸に胸ぐらを掴まれ引きずられるように連れてこられていたのは、この前私に告白をしてきた男子生徒だった。



どうしてこの二人が? と思うよりも先に、ただならぬ雰囲気を察した私は息を潜めて隠れていた。



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