君のこと、欲しくない
あぶないきみ
わたしがいちばん信用できなくて、いちばん危ないと思ってるクラスメイトはわたしが思ってる通りのクズらしい。
そのクラスメイトは学校の王子様、顔だけ見れば。
わたしがさっき見てしまった光景はクラスメイトの性格をたっぷり知ってしまうもので。
放課後の空き教室。
この単語がわたしは嫌いになりそう。
「陶山(すやま)くん、だいすき」
そう聞こえた、女の人特有の高くて妖艶な声で。
「先輩」
と返すのは陶山 泉(いずみ)、わたしが密かに危ないなと思ってるクラスメイトで。
この教室を開けるつもりだったわたしはすごく気まずかった。
ただただ先生に頼まれて、この空き教室にあるものを取ってくるだけだったのに。
どうしたらよかったんだろう。
そのまま戻るのがよかったかも知れないね、
でもそうする前に
「やっぱ今日違う女の子とも予定入れてたからそっち行く」
という陶山 泉の声が聞こえたんだ。
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