君のこと、欲しくない
よく考えればさっき陶山くんはわたしとの間に線引きしていたようだった。
そうだ、忘れていた。だから大丈夫でしょ、そう願いたい。
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そんなことを考えてるうちにホームルームは終わっていて、待ちに待った放課後。
わたしはうきうきでももはちゃんに駆け寄る。
「もーもはちゃんっ、行こっか!」
そう声をかけると げっ! という顔するももはちゃん、かわいい。
「…はいはい、行きますよ〜。妃夏とのデートなんて久しぶりだしね」
ふふ、デートだなんて。なんだかんだ楽しみにしていてくれてよかった。
今日は陶山くんのことを話したいんだよね、だめって言われたけど。
約束事を破るのはよくないってわかってるけど、ももはちゃんには言っておきたい。
こんなわたしと仲良くしてくれるし。ないとは思うけどもしももはちゃんが陶山くんを好きになったりしたらって考えると話したい。
ごめんね、陶山くん。