君のこと、欲しくない

ほんとに。

家や学校生活では平穏に、ただし放課後とかハメを外したい時だけだったんだ。



…仁宮 妃夏、クラスメイトの名前。
それしか知らなかった。


あの教室で会った時、誰なのか本当に分からなかった。

いつもの女のひとりだと思ったから声をかけた。


クラスメイトなら覚えて置かないといけないがいつも寄ってくる女ではなかったから。

…こんなのいいわけみたいだけど。



でも仁宮 妃夏は聞いていた人ではなかった。


ふわふわしていて癒されるとクラスの男の中でも評判だったのが彼女。

だが、思ったより気が強くてサバサバしている部分もある女だった。


……超意外。

どうせ、どうせ俺が声をかけたらコロっと堕ちてしまうそこら辺の女なんだろう。

って思っていた。


なのに俺と話したがらないし。
自慢じゃない…けど、女はすぐに寄ってきていたし顔にも自信があったのに。