君のこと、欲しくない


_それが15分程前の話。


今わたしはやっと空き教室から先生が言っていた荷物を持って帰ってきて、先生に文句言われているところ。


「……だから、寄り道なんてせずに……」


わかってます、先生。寄り道もしてません。

わたしが何も喋らないから肯定という意味で捉えたらしい。だって本当のこと言えないでしょ…


「…わかったなら早く帰れ」

ちょっと長い先生のお叱りが終わった。今日は疲れた。早く帰って寝たい…。



そう思ってたんだけどね、

「…あ、ぅ…」

びっくりした、だってまた陶山泉くんが下駄箱のところで女の子といるんだもん。


でもわたしに気づいたのか、

「…きゃっ!」

と相手の女の子がその場から離れて歩き始めた。あの子って多分隣のクラスの子だよね…


かわいいって言われてる子。

その子と陶山泉くんが抱擁しながら話してた。びっくりするよ、ほんと…

なんで今日はこんなに会ってしまうんだろう、陶山泉くんに。


…あ、今日の星座占い最下位だったんだ。

関係あるか分からないけど思い当たるのはそれだけ、あとは偶然っていう選択肢しかない。

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