5年越しでも俺の気持ちは変わらない



なぎちゃんの運転する車に揺られて15分。



「鶴浜さん入られまーす」


「よろしくお願いします!」



雑誌の撮影現場はいつも賑やか。



この世界に入るまでこんなに多くの人が関わってることなんて知らなかった。


せいぜいカメラマンとかヘアメイクさんとかぐらい…



色んな人が1つの作品を支えてる。


それに携わってるプロの方達のお仕事ぶりはほんとにかっこいいの。


ましてやこんな高校生の私に対しても、みんなは一人のモデルとして接したくれるし。



そういうことを見てると、自然と私も頑張らなきゃという気持ちにさせられる。






「じゃあ撮影始めて行きまーす」



今日は春の1週間コーデという特集。


数ページにわたる特集だからなぎちゃんの言うように気合を入れる。




「あーその表情いいねー」

「もうちょい手は上かなー」


カメラマンさんの指示が飛び交う。


その指示のもと、私は読者モデル鶴浜 桃へとなっていく。





「鶴浜ちゃん可愛いよー」



カメラマンさんの声が響く。



なんか、違う…。


早川くんに言われた可愛いと全然違う。


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