5年越しでも俺の気持ちは変わらない

「別に見られてまずいものとかないし大丈夫だって！」


「はぁ…」

「え？」


なんだかすごい呆れていらっしゃるのだけど。


私なんかやらかした？




「もうちょい警戒しろ
男なんて物騒なんだから」


警戒しろって、そういう意味で言ってたんだ…。


たしかに今日ナンパした人たちもいるし、男の人がみんな安全だとは思ってないけど、



でも倫也だよ？


「倫也なら心配ないよ！
だって私たち同い年の兄弟みたいなもんでしょ！？」




"クイッ"


…え…？


今の状況はさっきのと似てる…

頭の上に手があって…


でも今度はくしゃっとするんじゃなくてそのまま押されて頭が後ろに傾く。


結果的に倫也と目線がバッチリあう形に…。



顎クイを頭でやられた…？




そんな風に戸惑っていると、



「俺のこと男としてみろよ」



「え、」


「じゃあまた」



そう言ってあっという間に行ってしまった倫也。



たしかに会ってなかった5年の間に倫也は成長して、いつの間にか立派な男の人になってた。



でもわざわざ俺のこと男としてみろって…


ねえどういう意味で言ったの…？