5年越しでも俺の気持ちは変わらない
桃ちゃんの名前を出した瞬間明らかに顔が変わった。
それまで聞いてるか聞いてないかも分からないような感じだったくせに。
明らかに今の言葉で如月の注意は俺に向けられた。
「急で悪いけどどうしても確かめたくてね
連いてきてくれる?」
ここで話すのには少し面倒なことになりそうだからな。
気兼ねなく話すために場所を移動するよう頼む。
「っわかったよ…」
そう言って如月は席を立った。
案外君って単純でなんだね。
僕たちは人気の少ない廊下まで歩いてきた。
「…で、なんの用?」
「如月くん
桃ちゃんのこと好きだよね?」
「……」
あからさまに黙り込んだ。
やっぱり図星か…。
僕が桃ちゃんと話してる時、こっちを見ていたあの目。