北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
「は、っ」
どちらのものかわからないくらい間近で、声が重なった。
息を整えるまでのあいだ、凛乃は体温が移ってほんのり温かくなってしまった冷蔵庫の扉によりかかった。
累の手が伸びて、冷蔵庫の側面にかけてあったペーパーホルダーからティッシュペーパーを抜き取る。
「さすが。近くにある」
スカートを下ろされても、腰回りがすーすーした。
布地を巻きつけるように束ねて、凛乃はその場にずるずると座り込んだ。
丸めたティッシュペーパーをゴミ箱に投げ入れてから、累が正面に屈みこむ。
凛乃はその髪に腕を伸ばして、指ですくった。
「髪、切ったの?」
よく見ると、髪が全体的に短くなっていた。直線的な切り痕が、ふぞろいに点在している。
どちらのものかわからないくらい間近で、声が重なった。
息を整えるまでのあいだ、凛乃は体温が移ってほんのり温かくなってしまった冷蔵庫の扉によりかかった。
累の手が伸びて、冷蔵庫の側面にかけてあったペーパーホルダーからティッシュペーパーを抜き取る。
「さすが。近くにある」
スカートを下ろされても、腰回りがすーすーした。
布地を巻きつけるように束ねて、凛乃はその場にずるずると座り込んだ。
丸めたティッシュペーパーをゴミ箱に投げ入れてから、累が正面に屈みこむ。
凛乃はその髪に腕を伸ばして、指ですくった。
「髪、切ったの?」
よく見ると、髪が全体的に短くなっていた。直線的な切り痕が、ふぞろいに点在している。