北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
凛乃の視線が止まるなり、「あー、やっぱりー」とドレス姿の2人が駆け寄ってきた。
「着物だったから、ちょっとだれかと思ったよー」
「いいじゃんいいじゃん」
囃し立てる2人の目がちらりと累を見上げると、凛乃もすかさずふりむいた。
「あのね、今日いっしょに参列する、短大のときの同級生で」
「飯塚でーす」
「富田ですー」
「……小野里です」
人見知りを発動しながらも、かろうじてぺこりと会釈する。
「ね、もしかしていっしょに出席するの?」
「ううん、ここまで送ってくれただけ。このあと仕事で」
「えー、やさしーい」
ニヤニヤする2人のうちのひとりが、サブバッグからデジタル一眼レフカメラを取り出した。
「着物だったから、ちょっとだれかと思ったよー」
「いいじゃんいいじゃん」
囃し立てる2人の目がちらりと累を見上げると、凛乃もすかさずふりむいた。
「あのね、今日いっしょに参列する、短大のときの同級生で」
「飯塚でーす」
「富田ですー」
「……小野里です」
人見知りを発動しながらも、かろうじてぺこりと会釈する。
「ね、もしかしていっしょに出席するの?」
「ううん、ここまで送ってくれただけ。このあと仕事で」
「えー、やさしーい」
ニヤニヤする2人のうちのひとりが、サブバッグからデジタル一眼レフカメラを取り出した。