北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
寝ぼけまなこのままうなずく累の左サイドに、もぞもぞと入り込む。腕枕が差し出されて肩を抱くところまでがオートマティックなのが、何気に毎度きゅんとする。
累の反対の手はコタツの天板を這いまわって、自分のスマートフォンを取り上げた。なにやら操作しながら、凛乃の目線上に持ってきた。
「なに?」
「サスケが産まれたって」
「そうなんだ!?」
おかしな言葉選びも、眠る新生児の寝顔写真で無問題だった。「かわぃぃー!」コタツ布団からはみ出した足をバタバタさせる。
「夜中に飛んでって、立ち会ったって。あ、車飛ばして。飛ばないけど、車は」
まだ頭が回っていないのか、累がぶつぶつ言っている。
凛乃は頬をほころばせながら、何カットも送られてきている写真を繰った。
「どっちだって?」
累の反対の手はコタツの天板を這いまわって、自分のスマートフォンを取り上げた。なにやら操作しながら、凛乃の目線上に持ってきた。
「なに?」
「サスケが産まれたって」
「そうなんだ!?」
おかしな言葉選びも、眠る新生児の寝顔写真で無問題だった。「かわぃぃー!」コタツ布団からはみ出した足をバタバタさせる。
「夜中に飛んでって、立ち会ったって。あ、車飛ばして。飛ばないけど、車は」
まだ頭が回っていないのか、累がぶつぶつ言っている。
凛乃は頬をほころばせながら、何カットも送られてきている写真を繰った。
「どっちだって?」