北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
 不審そうな累の声に笑う。
「おむつとかベビー用品をデコレーションケーキみたいに飾り付けたギフトね。あ、その顔はイメージできてないな」
 累に検索サイトを開いてもらい、おむつケーキの画像を展開する。
「ほら、こういうの」
「なんとなくわかった。腕が疲れた」
 凛乃は累の手を促して、掲げたままだったスマートフォンをコタツ天板に伏せた。
「お姉ちゃんがおむつケーキもらってて、かわいかったし、実用性もあるし、いいなと思って。あ、でも一応、お姉ちゃんに訊いてみよう、なにがもらっていちばんうれしかったか」
「んー」
 累が考え込むように、空いた手で額を押さえる。
「それ、便乗していい? よろこばれるものとか、おれはわかんないから」
「わたしとおなじもの贈る?」
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