北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
「つるにこがいるからさびしくないのか」
思わず拗ねると、腕枕をしていた手が髪を撫でた。
「そんなことない。つるにこがいなかったら、ひとりで待てる自信がない」
「……待てなかったらどうするの?」
少し意地悪な質問に、累は黙考したあと、「家を売る」と言った。
「わけわかんない」
ツッコミを入れると、凛乃は上半身を起こして累の胸のうえに乗り上げた。
ようやくしっかりと目を開いた累の目が、凛乃を捉える。
「帰ってくるよね?」
「わたしの家は、ここだからね」
軽く口唇を合わせて、わざと音を立てて離れた。
「3日も凛乃と離れるの、初めてだ」
口唇の隙間で、累が低くこぼす。
思わず拗ねると、腕枕をしていた手が髪を撫でた。
「そんなことない。つるにこがいなかったら、ひとりで待てる自信がない」
「……待てなかったらどうするの?」
少し意地悪な質問に、累は黙考したあと、「家を売る」と言った。
「わけわかんない」
ツッコミを入れると、凛乃は上半身を起こして累の胸のうえに乗り上げた。
ようやくしっかりと目を開いた累の目が、凛乃を捉える。
「帰ってくるよね?」
「わたしの家は、ここだからね」
軽く口唇を合わせて、わざと音を立てて離れた。
「3日も凛乃と離れるの、初めてだ」
口唇の隙間で、累が低くこぼす。