北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
「深刻な顔して15分で終わらせるとか言うから、てっきり。だから、つるにこの入室許可が出たわけね」
「紹介しよう、と思って」
「よかったねぇ。愛想ふりまいておいで。ぼんじゅー、って鳴いてみ」
つるにこの頭を撫でてムチャ振りする凛乃に、顔を寄せる。
「凛乃も来て」
「へ?」
一拍の休符のあと、凛乃はこっちが怯むほど小刻みに首を振った。
「いやいやいやいやいや、だって、わたしパジャマだよ? 半纏だよ? ノーメイクだし!」
風呂上がりの残り香を乾かしたばかりの髪にまとわせて、あとずさる。
「画質悪いし、気にしなくていいよ」
「映りの問題じゃなくて、失礼でしょそんなの」
「こんな時間に会いたいって言った言造くんのほうが失礼だから」
「紹介しよう、と思って」
「よかったねぇ。愛想ふりまいておいで。ぼんじゅー、って鳴いてみ」
つるにこの頭を撫でてムチャ振りする凛乃に、顔を寄せる。
「凛乃も来て」
「へ?」
一拍の休符のあと、凛乃はこっちが怯むほど小刻みに首を振った。
「いやいやいやいやいや、だって、わたしパジャマだよ? 半纏だよ? ノーメイクだし!」
風呂上がりの残り香を乾かしたばかりの髪にまとわせて、あとずさる。
「画質悪いし、気にしなくていいよ」
「映りの問題じゃなくて、失礼でしょそんなの」
「こんな時間に会いたいって言った言造くんのほうが失礼だから」