北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
「じつは目をつけてたECサイトがあるんだよ。まずはそこで買おう、早いしな。配送先はどっちの家がいい? おまえ、いつまでそっちにいるの」
「明日いったん戻るけど、送るまえに連絡してよ。どっちにいるかわかんないし」
「まだ行き来するのか」
「凛乃は1か月くらいいるから」
「産まれるまえから何往復もしてんだろ。たいへんだな」
「つるにこたちのこと、みてもらいっぱなしにはできないし、ノーパソだけじゃ間に合わない仕事が、どうしてもあって」
語尾がしぼんでいく累の思いを汲んだように、言造がしんみりとうなずく。
「離れがたいよなぁ」
言い当てられて、累は思わず言造の瞳を正面から見た。
「明日いったん戻るけど、送るまえに連絡してよ。どっちにいるかわかんないし」
「まだ行き来するのか」
「凛乃は1か月くらいいるから」
「産まれるまえから何往復もしてんだろ。たいへんだな」
「つるにこたちのこと、みてもらいっぱなしにはできないし、ノーパソだけじゃ間に合わない仕事が、どうしてもあって」
語尾がしぼんでいく累の思いを汲んだように、言造がしんみりとうなずく。
「離れがたいよなぁ」
言い当てられて、累は思わず言造の瞳を正面から見た。