北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
「さて、まぁ、もう寝るか。寝れるときに寝ておかないと、体力もたないからな」
「そうする。凛乃もそろそろ戻ってくるだろうし」
 キーボードに手を伸ばすついでに、見せびらかすように彪吾を画面に近づける。
「じゃあおやすみ、父さん」
 意識してそう呼びかけると、言造がくいっと口の端を引き上げた。
「おやすみ。お・と・う・さん」
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