北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
平日とはいえ、海水浴シーズンではある。午後遅くなればなるほど人が増えるらしいし、幼い子を連れて帰宅渋滞にぶつかったらツラい。
「そうだね、どんどん暑くなってくしね」
言いながらすでに凛乃は片づけを始める。
「ちょいちょい食べておなか空いてないから、帰り道でお昼寝しちゃえるとちょうどいいなあ」
「彪吾、もう帰ろうか?」
一応訊いてみる。
「やー。ゅーご、あそぶ」
浮き輪を引き寄せて、彪吾は立ち上がった。こうなったらもう、おとなしくなんかしていない。
累は駆けだしそうな彪吾の身体をやんわり押しとどめつつ、人差し指を立てた。
「じゃあ、あと1回だけ」
「そうだね、どんどん暑くなってくしね」
言いながらすでに凛乃は片づけを始める。
「ちょいちょい食べておなか空いてないから、帰り道でお昼寝しちゃえるとちょうどいいなあ」
「彪吾、もう帰ろうか?」
一応訊いてみる。
「やー。ゅーご、あそぶ」
浮き輪を引き寄せて、彪吾は立ち上がった。こうなったらもう、おとなしくなんかしていない。
累は駆けだしそうな彪吾の身体をやんわり押しとどめつつ、人差し指を立てた。
「じゃあ、あと1回だけ」