北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
「起こしてごめん。ちょっとサスケん家、行く」
「なんかあった?」
累はヘッドボードに引っかけておいたTシャツをかぶりながら、わずかに思案した。
心配はかけたくないけど、ごまかすのもよくない。
「妙子さんがおなか痛くてちょっと出血したって」
「えっ」
「で、サスケがテンパって階段踏み外して足痛めた。病院まで送ってくる」
「わたしも行く」
凛乃が跳ね起きてチェストのまえに座り込んだ。足元にくしゃっと寄せられていたパジャマが、床に滑り落ちる。
「あいつの車使うから、だいじょうぶだよ」
「運転しながら、痛がってるひとをふたりも相手にできないでしょ。対応できるひとがいたほうがいい」
「なんかあった?」
累はヘッドボードに引っかけておいたTシャツをかぶりながら、わずかに思案した。
心配はかけたくないけど、ごまかすのもよくない。
「妙子さんがおなか痛くてちょっと出血したって」
「えっ」
「で、サスケがテンパって階段踏み外して足痛めた。病院まで送ってくる」
「わたしも行く」
凛乃が跳ね起きてチェストのまえに座り込んだ。足元にくしゃっと寄せられていたパジャマが、床に滑り落ちる。
「あいつの車使うから、だいじょうぶだよ」
「運転しながら、痛がってるひとをふたりも相手にできないでしょ。対応できるひとがいたほうがいい」