北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
累は、ふうっと息を吐いた。
凛乃の予測通り、とりあえず深刻な状況ではなさそうだ。
「たえちゃん、切迫早産になりかかってたけど、安静にしてれば大丈夫だって。今晩だけ、入院する」
佐佑はL字に配置されたソファにゆっくり腰を下ろして、累たちとななめに向かい合った。
「おれも朝まで付き添ってていいって言われたから、いるね。今日はもうひとり、産まれそうなひとがいて、盛り上がってるんだって」
累は佐佑の右足に目を落とした。
「おまえの足は?」
「捻挫だった。落ち着いたら、痛みも引いてきたよ」
「でも運転は厳しいだろ」
「うん。悪いけど、車、乗ってってくれる?」
「わかった。キーはポスト?」
凛乃の予測通り、とりあえず深刻な状況ではなさそうだ。
「たえちゃん、切迫早産になりかかってたけど、安静にしてれば大丈夫だって。今晩だけ、入院する」
佐佑はL字に配置されたソファにゆっくり腰を下ろして、累たちとななめに向かい合った。
「おれも朝まで付き添ってていいって言われたから、いるね。今日はもうひとり、産まれそうなひとがいて、盛り上がってるんだって」
累は佐佑の右足に目を落とした。
「おまえの足は?」
「捻挫だった。落ち着いたら、痛みも引いてきたよ」
「でも運転は厳しいだろ」
「うん。悪いけど、車、乗ってってくれる?」
「わかった。キーはポスト?」