北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
-2日目-
凛乃は確信している。
つるにこは、まちがいなくつるこの血縁の猫だ。娘なのか孫なのかはわからないけど、累という人間の人となりをつるこから訊いて、自分の意志で小野里の家にやってきた。
だから自分がぜったいに愛されることを知っている。
今日だって、ふたりがトランクルームの下見から帰るなりリビングからすっ飛んできて、累の足元をよじのぼりだした。
そんなことをされたら累は、話の途中でもつるにこを抱き上げ頬ずりをして、話していたことをいったんリセットしてしまった。
喉を鳴らして甘えられて、ツン親からの子デレという時間を超えたギャップに、めろめろにされている。
瀬戸さんが言ってたとおりだわ。
人が変わったようなスキンシップ過剰ぶりに、凛乃は半ば呆れてなかば妬いて、声を強ばらせた。
「わたし、魔境の片づけしてきますんで」
「つるにこにおやつあげたら、おれも行く」
声がリビングのほうに消えていく。
つるにこは、まちがいなくつるこの血縁の猫だ。娘なのか孫なのかはわからないけど、累という人間の人となりをつるこから訊いて、自分の意志で小野里の家にやってきた。
だから自分がぜったいに愛されることを知っている。
今日だって、ふたりがトランクルームの下見から帰るなりリビングからすっ飛んできて、累の足元をよじのぼりだした。
そんなことをされたら累は、話の途中でもつるにこを抱き上げ頬ずりをして、話していたことをいったんリセットしてしまった。
喉を鳴らして甘えられて、ツン親からの子デレという時間を超えたギャップに、めろめろにされている。
瀬戸さんが言ってたとおりだわ。
人が変わったようなスキンシップ過剰ぶりに、凛乃は半ば呆れてなかば妬いて、声を強ばらせた。
「わたし、魔境の片づけしてきますんで」
「つるにこにおやつあげたら、おれも行く」
声がリビングのほうに消えていく。