独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む
「……っ」
須和のその一言が、葵の心を大きく揺さぶった。
(柾さんが、今、私以外いらないって……)
「葵……? どうしたの」
何も言わない葵を心配に思って、須和は自分の膝の上に彼女を乗せた。
すぐに後ろから優しく包み込んで、首を傾げて様子を伺う。
「なんでそんな悲しい顔してるの? 他に不安に思ってることがあるなら何でも言って」
「違います。悲しいんじゃなくて……」
「うん」
須和は葵の赤らんだ眦をすくいながら、微笑みかける。
そんな彼の優しい笑顔に、胸の奥がギュッと締め付けられた。
「柾さんの言葉が嬉しくて……。
だって……ずっと私は、あなたが欲しかったから」
「……」
やっと言えた、と葵は思った。
出会ってからずっと、胸の奥に秘めていた気持ち。
欲しくても欲しいと言えなかった人……。
須和は一転して苦し気に目を細め、熱い眼差しを葵に送る。
「ごめん、もう少し待ちたいって思ったけど我慢できそうにない。葵の全部、僕にちょうだい」
「柾さん……」