独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む
「葵」
彼女の晴れ舞台に、須和はひっそりと微笑んだ。
今日は自分にとっても、葵にとっても一生忘れることができないだろう。
長年の夢が叶った日なのだから。
「……柾さん」
全ての取材を終え、大きな花束を持った葵が須和の元に駆け寄ってきた。
彼の前だけに見せる可憐で控えめな笑顔は、昔の葵そのままだ。
「葵、帰ろう」
須和の言葉に葵は小さく頷き、当たり前のように腕を絡める。
(葵、愛してるよ)
本当は、あの時。
何も掴めていない君を自分の腕の中に囲っておきたかった。
自分以外を必要としないくらいに、縛っておきたかったーー。
そんな彼の本音を、葵が知ったらどう思うだろう。
葵は須和の予想を遥かに超えて飛躍した。
羽柴一族、義則の社会的抹殺が済んだら、須和は早々に葵に日本に戻るよう仕向ける予定だった。
それがいざ手を差し伸べた時。
彼女は須和の助けが全く必要なくなっていたのだ。
「柾さん、どうしたの? ボーっとしてるけど」
「……なんでもない。今日は一日中人に囲まれてさすがに疲れたかも」
葵は綺麗だ。
誰にも染まらず、自分自身に彩を与え変化していく。
そしてそれを、僕は優しく見守って愛で続ける。
そう悟って、須和は葵の髪をそっと撫でた。
彼女の晴れ舞台に、須和はひっそりと微笑んだ。
今日は自分にとっても、葵にとっても一生忘れることができないだろう。
長年の夢が叶った日なのだから。
「……柾さん」
全ての取材を終え、大きな花束を持った葵が須和の元に駆け寄ってきた。
彼の前だけに見せる可憐で控えめな笑顔は、昔の葵そのままだ。
「葵、帰ろう」
須和の言葉に葵は小さく頷き、当たり前のように腕を絡める。
(葵、愛してるよ)
本当は、あの時。
何も掴めていない君を自分の腕の中に囲っておきたかった。
自分以外を必要としないくらいに、縛っておきたかったーー。
そんな彼の本音を、葵が知ったらどう思うだろう。
葵は須和の予想を遥かに超えて飛躍した。
羽柴一族、義則の社会的抹殺が済んだら、須和は早々に葵に日本に戻るよう仕向ける予定だった。
それがいざ手を差し伸べた時。
彼女は須和の助けが全く必要なくなっていたのだ。
「柾さん、どうしたの? ボーっとしてるけど」
「……なんでもない。今日は一日中人に囲まれてさすがに疲れたかも」
葵は綺麗だ。
誰にも染まらず、自分自身に彩を与え変化していく。
そしてそれを、僕は優しく見守って愛で続ける。
そう悟って、須和は葵の髪をそっと撫でた。