独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む
(須和さん、忙しいのにわざわざ予定を開けてくれたんだよね。すごく嬉しい)
須和と食事に行くのは今日で二回目だ。
『二十歳のお祝いをしたい』と須和に言われたのが数カ月前。
二年前のデート以降、二人は甘い雰囲気になることはなかった。
あくまで須和は常連として、葵の前に姿を現した。
そんな須和に対して、葵は須和に想いを寄せていたが……正直、諦めていた。
(また食事に誘ってくれるなんて、思ってもみなかったな。
私、少しは大人っぽく見えてるかな?)
特別な日だからと今日は特別おしゃれをしてやってきたのだが、
須和にはどう映っているだろう。
不安に思っていると、彼はニッコリと笑顔を浮かべた。
「……葵ちゃん、君に渡したいものがあるんだけど」
「えっ、なんですか」
「大人になったお祝い」