純愛ココア
「あ〜ココアちゃん!」
たしか…勇治先輩??
って、あたし!?
ココアちゃんて何っ!?
キョロキョロするけど周りには、あたししかいないし。
そうして…勇治先輩があたしの所へ走って来た。
「やっぱり、今日もココアなんだね♪」
あたしの手元を見て言う。
「あの〜…?」
「ああ、ごめんね、瑠璃ちゃんだよね」
わけがわからない。
「あれ?隆弘から聞いてない?
いっつもココア飲んでたでしょ?俺らそう呼んでてさ〜」
「それから隆弘もココア飲みだしたりしてさぁ。
アイツが甘い物口に入れてんの初めて見たよ」
勇治先輩は楽しそうに話す。
―――どう言う事?
あたしが初めて隆弘先輩を見た時、ココア飲んでたよ?
頭の中の記憶を引っ張り出す。
「…アイツ、すっげー変わったよ。
毎日楽しそうでさ。
ココアちゃんのおかげかな?」
あたしの…?
「――コラ。勇治」
突然、ものすごく低い声。