傷つき屋
「ま、このご時世にエスパーは無理があるな」
「そうか?アキオ、本当にそう思うか?」
俺はマコトのポケットに手を突っ込んで、キシリトールのガムの箱を取り出す。
その中から一つくすねて、銀紙を剥がし奥歯で噛むと、冷んやりとしたミントの匂いが鼻を通る。
「俺な、すごい特技があるんだよ」
慣れた手つきでスマホに指で触れ、画面をこっちに見せてくる。
ツイッターの画面に、@kizutsukiya と浮かぶ。
「きずつきや?」