エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~
 交際期間は一年。好きになったのも私が先で、告白をしたのも私から。

 イケメンでモテモテのかけるは常に彼女が絶えなくて、そんな彼と付き合えるなんて奇跡だと思った。

 嬉しくて舞い上がっていたからそのときは気がつかなかった。でも、別れてしばらく経つとなんとなく気がついた。

 もしかしたら、かけるは私と真剣に付き合っていなかったのかもしれない。

 かけるにとって私は新しい彼女ができるまでのただの繋ぎ。私との交際はただの遊びで、かけるは私のことなんて少しも好きじゃなかった。その証拠に、私はかけるから一度も好きだと言われたことがない。

 そう気が付いても、かけるのことを引きずっている私はかなりの重症だ。

 私と別れてすぐにできた新しい彼女とは本気の交際なのだろうか。ケンカしたって言っていたけど……。


「――千菜。どうしたボーッとして」

「え!?  あっ、ううん。なんでもない」


 突然かけるに顔を覗き込まれてハッと顔を上げる。慌てて首を横に振ると、かけるが私との距離を詰めてきた。


「千菜はどうして一人でいるの?」

「えっと……私も知り合いと来ていたんだけど、今は訳あって別行動していて」

「知り合いって彼氏?」

「彼氏ではないんだけど……」

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