エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~

「郡司先生。もしよろしければですが、またふたりで昨日のようにカフェで会うことはできませんか?」

「えっ」


 つい千菜のことを考えていると、目の前の麻宮さんがじっと俺を見つめている。


「短い時間でしたが、昨日はすごく楽しかったので。また郡司先生とふたりでお茶をしながら、仕事のこととかお話できたらなと思って……」

「すまない。それはできない」


 その誘いに、俺は瞬時に断りの言葉を告げた。


「俺には婚約者がいる。申し訳ないが、彼女以外の女性とふたりきりで会うことはできない。だが、相談があるなら仕事の合間の休憩時にでも院内のカフェでよければ話を聞く」


 俺と麻宮さんはプライベートで食事をするほどの仲ではない。もし千菜が知ったらきっと誤解をする。

 もしかしたら彼女も俺に少しは気があるのではないかと気付いた今、俺の千菜への想いを疑われるようなことはしたくない。


「やっぱり真面目な方ですね、郡司先生は」


 すると、麻宮さんがふっと静かに笑った。

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