エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~
「キスくらいはしてもいいか?」
そう聞いておきながら、私の返事を待つことなく唇を押し付けられた。
「んん~」
早急に始まったキスに戸惑っていると、私の手首を掴んでいた貴利くんの手が腰に回り、もう片方の手が後頭部に回される。
長く続くキスは次第に深くなり互いの舌が絡み合う。このまま本番に突入してしまいそうな甘くて激しいキスを受けながら、まだ何もしないと言っていた貴利くんの言葉を思い出した私は『嘘つき!』と心の中で彼を思い切りののしった。
しばらくすると、ゆっくり唇が離れてキスが終わる。それに少しだけ寂しさを感じてしまった私はもう完全にこの雰囲気に流されていて、身体は貴利くんを求めていた。
「すまん。キスだけで止めるつもりだったが無理そうだ。このまま続けていいか」
熱っぽい視線で見つめられて、「うん」と頷いてしまう。
外はどんよりとした雨雲のせいですでに夕方のように薄暗いものの時間帯はまだ昼間。こんな時間から始めるのは少し気が引けるけど、貴利くんも私もこれ以上はもう待てそうにない。