エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~
 連絡を受けた小谷さんの話によると、ボランティアさん側のスケジュール管理がうまくできていなかったらしい。

 図書館と同じ日の同じ時間帯に近くの福祉施設でもクリスマス会を開く予定らしく、そこでも読み聞かせの依頼があった。それを忘れたまま、図書館のお話会の予定も入れてしまったらしい。

 ボランティアさん側としては、先に依頼があり承諾の連絡をしていた福祉施設の読み聞かせを優先させたいそうだ。


「……そのパターン前にもありましたよね」
 

 小谷さんから事情を聞いた私は去年の節分お話会のときを思い出した。確かあのときもボランティアさん側のスケジュール管理がうまくできていなくて図書館のお話会をキャンセルされてしまった。

 小谷さんもそのときのことを思い出したのか、困ったように息を吐き出す。


「ボランティアさんたちももうご高齢だから。その辺は、まぁ仕方ない。無償でやってもらっているわけだから、あまり強くもお願いできないし」

「ですよね。他の読み聞かせボランティアグループさんに声掛けてみます?」

「その手ももうやったんだけどダメだった。やっぱり同じ日にクリスマス会を開く施設が多いみたいで、スケジュール埋まっているって言われた」

「そうですか……」

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