エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~
 どうしようかとしばらくふたりで頭を悩ませていたが、悩んでいても仕方がない。私は小谷さんに提案する。


「今年は私たちだけでやりましょう」

「やっぱりそれしかないよね」


 小谷さんが頷いたので、今年のクリスマスお話会は図書館職員が中心となり絵本や紙芝居、パネルシアターなどで読み聞かせを行うことにした。

 さっそくそのことを館長や他の職員にも報告をすると、私と小谷さんだけだと大変だからと手伝ってもらえることになり、これでなんとか今年のクリスマスお話会も無事に開催ができそうだ。

 一安心しながらお昼休憩を終えて午後の仕事をこなしていると、隣のデスクで仕事をしていた小谷さんに話し掛けられた。


「ねぇねぇ沢木さん。今年もチキンパーティーするよね?」


 新しく入ってきた雑誌のデータを登録して、館内貸し出し用のカバーをかけていた私は、その作業を続けながら隣の小谷さんに答える。


「今年のクリスマスって平日ですよね。小谷さん出勤日ですか?」

「うん。沢木さんもそうだよね」

「はい。閉館時間までの遅番です」

「私も」


 ここ数年のクリスマス当日は、仕事が終わると小谷さんの一人暮らしのアパートでチキンパーティーを開くのが私たちふたりの恒例行事になっている。

< 166 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop