エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~

「今年はどうしようか。ついにデラックスパック頼んじゃう?」

「でもあれは大人数のパーティー用だからふたりだと絶対に食べ切れませんよ」

「やっぱりそうかな。でも私、今年はいつもよりもたくさん食べられる気がするの」

「その根拠はどこからくるんですか。まぁ、私も食べろと言われれば食べますけど」


 私も小谷さんも小柄のやせ型。でも、ふたりともよく食べる。忘年会などの飲み会ではほとんど私と小谷さんがふたりで料理を食い尽くしてしまうほどの大食いだ。小食の職員が多いのでその食欲にはいつも驚かれているし、料理を残さずに済むので感謝されたりもしている。


「よし! じゃあ今年はデラックスパックを頼もう」

「賛成です」


 会話は続けているがお互い仕事の手は止めていない。ちなみに小谷さんは貸出期限の過ぎた本を持っている利用者さんに向けた督促葉書をせっせと作っている。

 話し合いの結果、今年のチキンパーティーはデラックスパックを頼むと決まり、新刊雑誌の装備を終えた私は貸し出しカウンターへと向かった。

 先にカウンターに入っていた職員さんと交代してイスに腰を下ろす。今日はこれから閉館時間まで私がカウンターの当番だ。

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