エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~
「書庫になら何冊かあるけど少し古いよ。それでもいい?」
「いいよ。電車のなら何でもいい」
「わかった。じゃあちょっと持ってくるからこの紙にお名前書いてね」
「はーい」
書庫の本の請求書にとも君の名前を書いてもらう。カウンターの奥の作業スペースにいる職員に声を掛けて、カウンターを少しだけ交代してもらうと私は地下の書庫へと急いだ。
戻ってくると近くのソファに座っていたとも君が目をキラキラとさせてかけ寄ってくる。
「うわっ。いっぱいあるね。これ全部借りてもいいの?」
「うん、いいよ」
「やったー。でも他の本も借りたいから一回ママのところに行ってからまたくるね」
「わかった」
とも君は両手で大事そうに本を抱えて、児童書コーナーにいるお母さんのもとへと嬉しそうに走り出す。
「歩いてねー」とその背中に優しく声を掛けると、とも君は立ち止まり、今度はゆっくりと歩いて児童書コーナーへと向かった。