エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~
 そのまま唇を重ねられて私はそっと目を閉じる。短いキスが終わると、貴利くんは困ったように眉を下げた。


「すまない。いつも俺の予定が合わなくて。千菜には申し訳ないと思っている」

「いいよ、大丈夫だから」


 突然キスしてくるなんて、貴利くんには私がクリスマスを一緒に過ごせなくて寂しそうに見えたのだろうか。

 信号が青に変わると、貴利くんは私の肩に回していた腕を下ろし、その手で私の手をぎゅっと握った。そのまま自分の着ているジャケットのポケットへと手を突っ込む。


「あったかい」


 そう言って微笑んで見上げると、今度はおでこにキスをされた。

 ぴったりと寄り添って歩きながら、貴利くんのマンションへ行く前に近くのラーメン屋に寄ることになった。

 初めて貴利くんのマンションに泊まった日に食べに行って以来お気に入りになったお店で、ふたりでもう何度も訪れている。というより、最近はここにしか食べに行っていない。

 前に一度だけ駅前のホテルに入っているわりと高級な鉄板焼料理のお店でコース料理を食べたけど、メインディッシュの前になって貴利くんのスマートフォンに病院からの呼び出しがきてしまった。

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