エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~
「うわっ、なんだこのチキンの数。すげーな。この量を千菜ちゃんは同僚の子とふたりで食べたのか?」
「ああ、そうらしい」
証拠を見せるため、俺は指で画面をスライドさせて二枚目の写真を見せた。そこには、大量のチキンが入っていたはずの空箱を両手に持ちながら、満足そうな笑顔を浮かべる千菜が映っている。それを見た三雲が静かに呟く。
「あの子は見かけによらず大食いなんだな。そしてクリスマスだというのに彼氏が仕事でも少しも気にしていないような楽しみっぷり……いや、食いっぷりだ」
「そうだな」
苦笑しながら頷いて、俺はスマートフォンをポケットに戻した。
クリスマス当日に俺が仕事で落ち込んでいるのかと思っていたが、どうやら写真を見る限りでは同僚と楽しく過ごしたらしい。
その方が俺も嬉しいし安心する。仕事で会えないのは仕方がないんだ。そのせいで悲しませてしまうのは俺も辛い。
クリスマスイブと当日は会えなかったし、翌日の今日ももしかしたら仕事が長引くと思って千菜と会う予定は入れなかった。でも、明日以降のどこかで時間を作って千菜に会いたいから、連絡を入れてみるか。
その前にとりあえず今日はゆっくり寝たい。