エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~
「料理作ってくれたのか」
ダイニングテーブルには何品かの料理が並んでいる。
「うん。あっ、キッチン勝手に借りちゃった」
「ああ、構わない」
実家暮らしの千菜は普段はあまり料理をしないと言っていた。おそらくそれほど得意ではないのだろう。キッチンには参考にして作ったと思われる料理本が何冊か開いたまま置かれている。
「貴利くんこの前、野菜不足って言っていたから野菜多めにしたよ。でも、ごめん。味はあまり保証できない。私はまぁまぁうまくできたと思うんだけど、焦げちゃったりもしたからどうかなぁ」
自信なさそうに呟きながら心配そうに俺を見つめる千菜の腕を掴むと思わず自分の方へ引き寄せていた。彼女の小さな身体を腕の中へおさめると、これでもかというほど力を込めて強く抱き締める。
「ありがとう千菜。俺のために」
「うん、どういたしまして。ていうか、苦しい」
離してよーと抗議しながら千菜が俺の背中をトントンと両手でたたく。でも、今はそう簡単に離してはやれない。
予想外に彼女に会えたことがたまらなく嬉しかった。
「千菜。好きだ」
感情のままそう囁けば、「うん。私も」と俺の腕の中から可愛らしい声が返ってくる。