エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~
 結婚して、このまま千菜とずっと一緒にいられたらどんなに幸せだろう。


『俺の彼女は俺とならどこへでも一緒に行くって言ってくれているぞ。きっと千菜ちゃんも付いてきてくれるだろ』


 ふと三雲の言葉を思い出した。

 彼の言う通り、千菜なら俺に付いてきてくれるのかもしれない。

 あの日は、仕事が楽しいから辞めたくないと言っていたが、それは俺がアメリカ留学の話をまだしていなかったからだ。もしも俺が留学を打ち明けて、結婚して一緒に付いてきて欲しいと言えば優しい千菜はきっと俺のために仕事を辞めて付いてきてくれる。

 そしたら俺は千菜とずっと一緒にいられる。でも……。


『ねぇねぇ、お姉さん。図書館で働くにはどうしたらいいの?』


 司書の女性に向かって真剣な眼差しで尋ねていた子供の頃の千菜を思い出す。

 頑張って夢を叶えて憧れだった職業に就いたのに、俺との結婚で千菜はそれを手放さなければならなくなる。

 本当にそれでいいのだろうか……。

 俺は、抱き締める腕の力を弱めると千菜の身体をそっと離した。

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