エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望～独占欲全開で娶られました～

　気が付くと時間はそろそろお昼になる頃でお腹の空いた私は昼食の準備にとりかかる。

　玉蔵もお腹が空いているというので、不本意ながら彼の分のチャーハンも作ってあげた。それを一緒にダイニングテーブルで食べながら、玉蔵が静かに口を開く。


「ごめんよ千菜ちゃん。パパが勝手に結婚を決めたから、また千菜ちゃんを傷つけてしまった」

「その話ならもういいよ。何とも思ってないから」


　ぱくぱくと大盛チャーハンを食べながら私は答える。


　嘘をついた。何とも思ってないわけない。貴利くんとの結婚がなくなってしまってから私の気分は塞ぎ込んだまま。

　それに昨日、三雲先生から教えてもらった貴利くんの本当の想いを知って戸惑っている。

　貴利くんは私のためを思って結婚をやめようと言ってくれた。私がこのまま日本に残って、これからも仕事を続けられるように。

　そうしてほしいと思っているんだから、仕事を辞めて貴利くんに付いて行くなんて私は言えない。貴利くんの気持ちを踏みにじってしまうような気がする。