エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~
 追いかけてきた貴利くんも入ろうとしてきたので、その大きな身体を押し返して私は扉を閉めた。

 一緒に入って先ほどの行為の続きをされるのは困る。嫌じゃないけど、せっかくのディナーに遅れてしまうから今はダメだ。

 シャワーを浴び終えて戻ると入れ替わるように貴利くんがバスルームへと消えていった。その間に私はメイクと髪型を直し、服を着るとディナーへ向かう準備を済ませる。

 シャワーを浴び終えた貴利くんが戻ってくると、少し部屋でくつろいでからレストランへと向かった。


 *


 食事を終えて部屋に戻ると、大きな窓の外にはみなとみらいの夜景が広がっていた。大観覧車や赤レンガ倉庫がライトアップされている。

 この部屋に初めて入ったときと同じように、私は窓に駆け寄ると貼りついて景色を眺める。よく見えるようにわざと室内の照明は落としたまま。

 素敵な部屋に、美味しい料理。そして、すぐ近くには大好きな人がいる。その幸せを改めて噛みしめた瞬間、この時間がずっとは続かない現実を思い知る。

 この幸せは今だけ。再来週には貴利くんはアメリカに行ってしまう。そしてしばらくはお別れだ。

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