エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~

「貴利くんが心配だよ。真面目だからすぐに騙されちゃう。アメリカでセクシーな金髪美女に誘惑されても付いていっちゃだめだからね」


 貴利くんに限って浮気の心配はないと思う。

 でも、もしもの場合がある。

 例えば、か弱そうな女性が困った様子で『助けてください』とかなんとか声を掛けてきたけど、それが貴利くんを誘惑するための嘘だった場合。素直な貴利くんは騙されていることに気付かないまま、ほいほいと付いていってしまいそうだ。そしてその女性の罠にかかって、気が付くとふたりでベッドインしていたりして……。


「浮気しないでね」


 負の妄想が爆発してしまい、つい強い口調になってしまった。


「安心しろ。俺には千菜しかいない」


 貴利くんは私を引き寄せると力を込めて抱き締める。


「千菜こそ俺以外の男に目移りするなよ」

「しないよ。私だって貴利くんしかいないもん」


 ついさっき自分も浮気を疑ったくせに、逆に疑われてしまうと嫌な気持ちになってしまう。そんな感情はすぐに顔に現れてしまい、私はムッとした表情で貴利くんを見上げた。すると、唇を塞がれる。

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