エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~

「わかりました。すぐに戻ります」


 短い通話を終えてスマートフォンをしまうと、貴利くんは立ち上がった。


「病院からの呼び出しだ」

「ああ、うん、そうなんだ」


 どうやら帰るらしい。

 そういえば、再会した三日前も貴利くんは本当なら休日のはずだったのに、朝早く病院からの呼び出しがあって、その対応を終えてから私との待ち合わせ場所に遅れて来ていた。

 医者というのは忙しい仕事だ。そんな忙しい合間をぬって、わざわざ結婚情報雑誌を買いに出掛け、それを見せるためだけに私の家まで来たらしい。


「それじゃあ千菜。また連絡する」


 そう言い残して、貴利くんは我が家を後にした。

 残されたのはダイニングテーブルの上の結婚情報雑誌と婚姻届。


「置いてかれても困るんだけど……」


 そうこぼしつつ、つい結婚情報雑誌を手に取りぱらぱらと中身を見てしまう。

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