エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~
 何やら細かく数字が書かれているが俺には何を意味しているのかさっぱりわからない。けれど、どうやらここに書かれている通りに本を並べないといけないらしい。


「どこだ。ここか?」

「違う。そのふたつ隣」

「ここか?」

「そう、そこ」


 無事に本を所定の位置に戻すと、千菜が俺に「ありがとう」と告げる。でも、やっぱりあの頃のような笑顔はない。


「近くに脚立がなかったから助かった。いつもはこの辺にひとつあるんだけど、誰かがどこかに持っていっちゃったのかな」


 そう呟いてきょろきょろと辺りを見回している千菜はどうやら、普段は棚の高い段にある本を戻すときは脚立に上っているらしい。

 それにしても何となく同じジャンルで並んでいるだけだと思っていた本だが、そんなに厳しく場所が決められているとは知らなかった。


「なぁ、分類ってなんだ?」


 どうやらそれに従って本を並べているらしい。気になって千菜に尋ねてみると、説明するのが面倒くさいというような視線を俺に向けつつも教えてくれる。

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