別れたはずの御曹司は、ママとベビーを一途に愛して離さない
ふたりを繋ぐ縁は淡く儚い、桜
「いらっしゃいませ~」
街外れの緑豊かな丘の一画にある北欧風の小さなケーキ屋さん『プチ・ボヌール』。ここが私、佐倉 凛子の職場である。ここのオーナーに声を掛けてもらい、パティシエールとして働き始めてもうじき四年になる。
「凛子ちゃん、フラワーケーキのオーダーが入ったよ」
「本当ですか? 」
「先月、早川様の結婚式のケーキを作っただろう? その結婚式に参列したお客様のおひとりからのオーダーだ。凛子ちゃんの作るケーキを見て感動して、ぜひともオーダーがしたいと連絡をくれてね」
「うわぁ、嬉しい限りです。丹精込めてお作りさせていただきます」
オーナーの話を聞いて自然と頰が緩んでいく。パティシエールとしてこんな風に指名をいただけるのは、とても光栄なことだ。
ここは完全オーダーケーキの専門店だ。ウェディングケーキやバースデーケーキをお客様のご要望どおり一からデザインして、世界にひとつだけのケーキを作りあげていく。
やりがいのある仕事だが、お客様のイメージを形にしていくという、難しく繊細な仕事でもある。
街外れの緑豊かな丘の一画にある北欧風の小さなケーキ屋さん『プチ・ボヌール』。ここが私、佐倉 凛子の職場である。ここのオーナーに声を掛けてもらい、パティシエールとして働き始めてもうじき四年になる。
「凛子ちゃん、フラワーケーキのオーダーが入ったよ」
「本当ですか? 」
「先月、早川様の結婚式のケーキを作っただろう? その結婚式に参列したお客様のおひとりからのオーダーだ。凛子ちゃんの作るケーキを見て感動して、ぜひともオーダーがしたいと連絡をくれてね」
「うわぁ、嬉しい限りです。丹精込めてお作りさせていただきます」
オーナーの話を聞いて自然と頰が緩んでいく。パティシエールとしてこんな風に指名をいただけるのは、とても光栄なことだ。
ここは完全オーダーケーキの専門店だ。ウェディングケーキやバースデーケーキをお客様のご要望どおり一からデザインして、世界にひとつだけのケーキを作りあげていく。
やりがいのある仕事だが、お客様のイメージを形にしていくという、難しく繊細な仕事でもある。
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