別れたはずの御曹司は、ママとベビーを一途に愛して離さない
そこには勤め先やメールアドレス、そして携帯番号などが書かれていた。ちらっと目に入った勤め先には『あさひ総合法律事務所』と書かれていた。それはこの辺りにある中では大手の法律事務所でこの私でも知っていて、医療訴訟や薬害訴訟を主軸に扱うエリート集団だと聞いたことがある。
「はい。それでは渚さんとお呼びしますね。それから、すみませんが私、今日名刺を持ち合わせていなくて……」
「全然気にしないでください。ただ身分をちゃんと名乗った方が凛子さんの警戒心を解くことができると思いまして」
そういうことか、と納得した。一緒に談笑しているときに星野夫人から声を掛けられて渚さんも挨拶を交わしていたし、厳重なセキュリティーをクリアして会場入りをしているので正直あまりそこの心配はしていなかったが、変に気を遣わせてしまったらしい。
「凛子さんは僕の中でとても魅力的な女性なので、もっといろんな話を聞きたい。少しだけ付き合っていただけませんか?」
「そういってくださって嬉しいです」
イケメンに面と向かってそんな風に言われれば、たとえ社交辞令だとしても素直に嬉しくて浮かれてしまうのは仕方がないことなのだと思う。気が付けば私はそう答えて、渚さんと共にバーへと向かった。
「はい。それでは渚さんとお呼びしますね。それから、すみませんが私、今日名刺を持ち合わせていなくて……」
「全然気にしないでください。ただ身分をちゃんと名乗った方が凛子さんの警戒心を解くことができると思いまして」
そういうことか、と納得した。一緒に談笑しているときに星野夫人から声を掛けられて渚さんも挨拶を交わしていたし、厳重なセキュリティーをクリアして会場入りをしているので正直あまりそこの心配はしていなかったが、変に気を遣わせてしまったらしい。
「凛子さんは僕の中でとても魅力的な女性なので、もっといろんな話を聞きたい。少しだけ付き合っていただけませんか?」
「そういってくださって嬉しいです」
イケメンに面と向かってそんな風に言われれば、たとえ社交辞令だとしても素直に嬉しくて浮かれてしまうのは仕方がないことなのだと思う。気が付けば私はそう答えて、渚さんと共にバーへと向かった。