別れたはずの御曹司は、ママとベビーを一途に愛して離さない
そういえば最後に生理がきたのはいつだろう。もともと生理不順なためそこまで意識をしていなかったが。慌てて手帳を確認する。

「先月から来てない」

不安げに美紅を見つめると、美紅が大きく目を見開いた。

「ちょっと待ってて」

そう言うと美紅は慌てて家を飛び出して近所の薬局に行き、妊娠検査薬を買ってきてくれた。

緊張と不安で押しつぶされそうになる中、意を決してトイレに向かう。そして数分、くっきりと表れた線を見て動揺が走った。

「凛子、ひとまず病院に行ってちゃんと調べてもらった方がいい」

戸惑う私に美紅が優しくそう諭した。

次の日、仕事を休んで家の近くにある産婦人科を受診すると、妊娠九週目であることが告げられた。

昨日の地点でおおよそ妊娠していると思っていたため、そこまでの驚きはなかったが、この現実をどう受け止めていいものなのか。

今更、渚さんに妊娠の事実を告げることはできない。絶対に言えない。

これから私はどうすべきなのだろう。
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