別れたはずの御曹司は、ママとベビーを一途に愛して離さない
湊斗がおかしかった理由。それを聞いてもどうにかしてあげられない現実がもどかしい。

やっと生活が軌道に乗ったと思っていた。でもそれは自己満足に過ぎなくて、いろんな面で湊斗に辛い想いをさせてしまっているのが露呈した。湊斗から父親の存在を奪ってしまったのは私。

それでも人一倍の愛情を注いできたつもりだったが、湊斗が大きくなるにつれていろいろとこんな風に問題が出てきている事実は否めない。

分かってた。湊斗が外でよその子がお父さんに高い高いされるのを見て羨ましがってたこと。美紅の家族と会うとやたらと美紅の旦那さんに甘えたがること。

湊斗は口では言わないけれど、確実に父親という存在を求めている。

このタイミングでこんな話をされると、やはり湊斗には父親という存在が必要なのではないかとも考えてしまう。誰かに甘えてしまいたくなる弱い自分が顔を出す。

いずれ湊斗には父親のことをきちんと話さなければいけないときがくる。それを湊斗がどんな風に受け止めるのか。悩みは尽きない。

それでも歩みを止めることはできない。母親として湊斗に出来る限りのことをしてあげたい。

自分勝手なママでごめんね?
でも、ママは湊斗のことを心から愛してる。
< 80 / 111 >

この作品をシェア

pagetop