死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
「な、なんで…?」
唖然と呟く圭子の後ろから、私も冷蔵庫を覗き込む。
確かに昨日はあった『りんごタルト』が綺麗さっぱりなくなっている。
誰かが食べたんだ。
それか捨てたのか。
「マズかったから、一口だけ食べて捨てちゃった」
愛海がそう言って、ほくそ笑む。
「あ、あんたが…?」
「だってバレバレだって。前の時、愛海が【り】で終わってもいい感じだった。つまりそれは、もう【り】から始まるものを見つけてあったからでしょ?」
「まさか、それで前の時【る】で終わらせたの?」
私の問いかけに「するどーい!」と喜ぶ愛海。
「その【り】から始まるものを探す必要があった。予め仕込むのはルール違反だけど、移動させたり捨てたりはオッケーみたいだしー」
「そんな…」
まさか愛海がそこまで考えていたとは。
私たちなんかより、一歩も二歩も先をいっていた。
ずる賢いというか、こういうことには頭が異様に働くんだ。
「なんて女なの!」
掴みかかろうとする圭子を、私は止めた。
「それより早く探さないと!」
「──分かった」
素直に従う圭子は【調理実習室】を家探しした後、教室に戻る。
それでも、見つからなかったんだ。