死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-


「けどさー!」


「愛海は黙っててよ!」


私はすぐに遮った。


とにかく今は、黙っていてほしい。


「いや、でもさー!」


「黙ってて!」


「いや、だからー!」


「どうせ愛海はろくなこと言わないんだから!」


「いや、違うって!」


「なによ!?」


「なんか、戻らなくない?」


「えっ…?」


「いつもなら戻るじゃん?死り神やっつけたんだからさ」


「そういえば…」


私は教室内を見回す。


いつもの足元の揺れも、まだ感じない。


死り神を倒したというのに、現実の世界に戻る気配が何もないんだ。


これはどういうことだろう?


まだゲームは終わってないということ?


でも、死り神は倒したのに__?


「おい、気をつけろ!」


いきなり祐希が叫んだ。


気をつけろって、もう死り神の戸田は動かない。


喉からボコボコと血を流して死んでいる。


それなのに一体、なにに気をつけろというの?


恐怖で体は金縛りにあったように動かない。


首だけを動かして教室内を___?


そして『それ』はヌッと現れた。


教壇の後ろから静かに姿を現したんだ。


「け、圭子__後ろ!」


「えっ?」


圭子が振り返る。


それは死り神だった。


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