死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-


雨が降っていた。


とても激しく降っていた。


圭子のお葬式に参列していた私は、ぼんやりと雨音を聞いていた。


昨日まで、生きていた圭子。


1週間前まで、真剣に剣道に打ち込んでいた圭子。


1年前まで、まさかこんな日が来るなんて圭子だけじゃなく、誰も思っていなかった。


あの『死りとりゲーム』さえ始めなければ__。


「ちょっと、待ってよ!」


葬儀が終わると、いくつもの傘が帰路につく。


その中でも、足早に去っていくカラフルな傘を追いかけた。


「待ちなさいよ!」


腕をグイっと掴み、引き寄せる。


「なんか用?」


素っ気ない言葉が返ってきた。


「なんか用って…それだけ?言うことそれだけなの?」


「他になんかある?泣けばいいとか?」


愛海の表情からは、なにも読み取れない。


ただ、悲しんでいないことだけは分かった。


圭子の突然死を受け、学校は完全に休校となる。


だからどうしても話しておく必要があったんだ。


「圭子が死んだのは、愛海のせいだから」


「それならそれでいいじゃん」


「えっ?」


「別に言い訳もしないし」


そう答える愛海は、どこか投げやりだった。


< 113 / 206 >

この作品をシェア

pagetop