死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-


「なに意味のわからないこと…」


「簡単じゃん、私にくれたらいいんだよ」


「くれたらって、祐くんはモノじゃない!」


雨に負けないくらい大きな声で、私は愛海の申し出をはっきりと拒絶した。


「ふ〜ん」と、傘をクルクルと回す愛海。


「それじゃ、いいんだ?」


「えっ?」


「あの子みたいに、死り神に殺されちゃうけど?」


私は絶句した。


愛海は、これっぽっちも圭子のことに罪悪感を感じていない。


それどころか、祐希のことも罠にはめようとしている。


しりとりの順番は相変わらず、愛海が一番手だ。


初めの言葉は何が来るか分からないけど、次に回したい言葉で終わらせる権限がある。


きっとまた【り】で終わらせるつもりなんだ。


「でも祐希くんなら強いから、また死り神を殺すかもね?」


けれど愛海の言葉には、とても含みがある。


「祐美も気づいてるでしょ?」


「…なにを?」


「死り神ってたぶん__クラスメイトだよね?クラスメイトの誰かが死り神になってる」


「それは…」


「どんなルールかは分からないけど、そのことに祐希くんも気づいてるはず。だからまた祐希くんは、クラスメイトを殺すことになるんだよ」



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